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薄紅

真澄くんが方違した家は、北島家です。偶然ですが、その家には、

数えで17になる裳儀をすませたばかりのマヤというお姫さまがおりました。

普通は、13-14歳くらいにするのですが、両親に溺愛され、とても愛らしい

もとい幼い気性ゆえにのびのびになってたのです。

急に桜小路家の次男坊の優少将との婚約が整ったので急いで

裳儀の儀を済ましたのです。

桜小路少将は真澄君と同僚で、東宮にお仕えしており、まあ、ライバル関係に

ありました。親しくはしているけど、ちょっと気に食わない関係です。

「速水少将さま、ようこそ我が家へ、どうぞごゆるりとなさいませ」

「急な方違でもうしわけありません」

「何の、何の、父上はお元気ですか?」

「ええ、相変わらずです、お言葉に甘えさせて頂きます」

***

「聖、ちょっと」

「真澄さま、どうしました」

「マヤ姫の寝所近くに案内してくれ、桜小路の許婚殿の顔がみたい」

「ご婚約の整ったばかりの姫君の顔を覗くなんてとんでもない」

「ここの姫君って世間での評判というものが聞こえてこないだろう?

出世頭の桜小路少将の心を射止めたというのに、興味がある」

「だめです」

「俺がこんなに頼んでも?」

「わかりました、遠くから窺うだけですよ?絶対に手を出しちゃだめですからね」

***

聖くんはがんばりました、家人に場所を聞き出し、姫の寝所近くの

木の陰に案内しました。しっかりと御簾がおりてますが、話し声が

聞こえてきます。

「姫さまのご結婚も、もうすぐですね。出世頭の優しい桜小路少将で、

決まったときは、みなびっくりしましたよ?」

「私なんかでいいのかなと思うけど、昨年、吉野へ詣でたでしょう。

そのとき偶々私を見初められたと文に書かれていたの」

「初めて聞きました、そういえば裳儀前とはいえ、お年頃ですからと

注意したのに、こっそりお出かけになってましたね」

「桜の花の誘われて、ふらふらしていたらお会いして、とっても優しくて、

私のお話しを聞いてくれて、それから文を頂くことになったの」

「それは、それは、姫さまお幸せものですね」

「そうかな、結婚てよくわからないけど、一緒にいて優しそうだなと

思ったし、お父様も、お母様も大層お喜びだもの」

「姫さま、つかぬことをお聞きしますが、結婚したらすることは、

知っていますか?」

「えーと三日間、一緒にお布団で寝て、お餅を食べるのでしょう。

違うの」

「・・・・(姫さまつきの女房は何も教えなかったのか、普通、耳で覚えるはずなのに、

ここまでおぼこだと、どうする)」

「どうしたのばあや?」

「旦那さまにお任せすれば大丈夫ですから、さあ、お休みなさいまし」

***

「幼い姫だな」

「そうですね、真澄さま、戻りますよ」

「あ、子猫が」

「姫さま、いけませぬ、今日は方違でお客さまがおります、御簾の外へ

でてはいけません」

御簾がふわりと上がり、中から姫君の姿が、子猫は真澄少将の足元で

甘えてます。

お姫さまは、本当に愛らしく瞳は生き生きと輝き、真澄くん一目ぼれしました。

聖くんは、真澄くんの衣をひっぱり、ここから逃げようとしますが、動きません。

「みい、どこ?」

「こちらです、姫さま」

「あなた、だれ」

「真澄と申します、姫さま素足ではないですか、私がお抱きして、寝所へ

お連れしましょう」

姫君を軽々と抱き上げ、寝所へ向かいます。姫さまは、何にもわかってないので

のんきに、

「ありがとう」と答えました。

「ま、真澄さま、い、いけません。許婚の決まった方です」


「私は、この姫と結婚する」


「真澄さま」

「姫さま、ひい、あなた様は」

「明日の朝、呼びにまいれ」

「どうしたのばあや」

「姫さま、少し中でお話しませんか?せっかくお会いしたのに、

すぐにお別れはさびしくありませんか?」

「いいわよ」

「ということだから」

***

姫さまは、許婚ではない人と結婚することになりました。

いくらなんでも許婚のいる姫さまを寝取るもとい結婚することは

評判を落とすことになりかねませんが、真澄くんは、姫さまが疲れて

意識を失った合間に、聖くんを呼んで、すべて手配しました。

東宮、帝、院にひそかに文をおくり、かねてからの想い人という

うそをでっち上げ事実として、うわさを広め、父親が無理に進めた

縁談に思い余って、うんたらかんたら美談仕込です。

かわいそうなのは、桜小路少将です。かねてからの想い人を

横から掻っ攫われ、許婚を取られたわけですから。

でも大丈夫です、右大臣家の珠美姫と結婚することになり、

末永く幸せに暮らしたそうですから。

ちなみに、真澄くんは通うことなく三日間姫の寝所に居座り続け、

餅を食べたあと姫さまをかどわかす、もとい、自分の屋敷に連れて

帰ったそうです。

みんな幸せだからいいか。

ちゃんちゃん。
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